病気だけではなく、
その先の生活まで見つめたやさしい医療を

隈病院は、甲状腺の専門病院です。橋本病・バセドウ病・甲状腺がんなど甲状腺疾患の他、副甲状腺、乳腺の診療を行っています。

甲状腺の専門病院として
できること

甲状腺の専門病院としてできること

当院の二代目院長である隈 寛二は、「甲状腺疾患は、身体だけではなく心の不調もあらわれやすい病気であること」にいち早く目を向け「患者中心の全人的医療」を理念に掲げました。病状だけでなく心や将来まで、いわば人生そのものをケアすることを隈病院の根底を支える思想として、すべての医師やスタッフに受け継がれています。

1932年の開院以来、培ったすべてを注ぎ、一人ひとりにとっての最適をあらゆる視点から見極め、患者の皆様に寄り添った医療を提供します。

医師と患者の皆様との関係をより良くするために

医師と患者の皆様との関係をより良くするために

医療者は患者様へ、治療内容、効果、危険性、その後の予想や費用などについて、十分にかつ分かりやすく説明し、そのうえで同意を得るインフォームド・コンセント(説明と同意)を行います。患者様ご本人が本当のことを知って治療を受けることが大切だと考え、当院では、ありのまま告げる方針にしています。

インフォームド・コンセントには「患者様ご自身が治療方針をきめる」という大切なポイントがあります。
病気のときは誰でも混乱していて、落ち着いて説明をうけたり、自分で判断をしたりするのは難しいことです。必要だと思ったら、家族や信頼できる友人の方も、診察室に一緒に入っていただいてかまいません。周りに相談できる方がいない場合は、3Fに設置しております医療相談室もどうぞご利用ください。毎月第3土曜日には隈病院おしゃべり会も開催しています。

安全でよりよい医療を実現するためには、医療従事者だけではなく患者様ご自身のご協力が不可欠です。患者様と医療従事者の二人三脚で、一緒に病気に取り組んでいきましょう。

元通りに声が出せるように

元通りに声が出せるように

甲状腺の近くには、声帯を動かすために必要な「反回神経」と大きな声・高い声を出すときに必要な「上喉頭神経外枝」といった重要な神経が通っています。手術の際に、これらの神経の周囲に触れたり、やむを得ず切除したりすることがあり、手術後の声に影響を及ぼす場合があります。

2011年より当院では、確実に神経を温存し、安全な手術ができるよう、神経の位置や機能を監視し、術中の神経損傷をできる限り避けるため『術中神経モニタリング装置』を導入しています。

また、反回神経の切除が避けられない場合には、反回神経と頸神経ワナという別の神経をつなぐという独自の再建方法を当院名誉院長の宮内 昭が考案しました。反回神経を再建することで、声帯の萎縮や発声時の声帯の緊張が回復して声が手術前に近い状態まで戻ることも少なくありません。さらに、誤嚥(飲み物や食べ物が誤って気管に入ること)も改善されます。

隈病院では、このように神経損傷を防ぐ「神経モニタリング」と切除・損傷を免れない場合の「反回神経の再建」を、患者の皆様の声を守るため必要な施術として積極的に施行しています。

診断の標準化のために

診断の標準化のために

当院も、いつどこの病院でも、誰もが最適な医療を受けられる社会を目指して、新しい診断・治療法の開発のため、日々研究を続けています。こうした診療上役に立つ知識・知見は、論文や学会発表などを通じて国内外へ積極的に発信し、世界の甲状腺医療の発展に貢献しています。

さらに、当院では、他院からも医師や検査技師の見学を随時受け入れています。これまでも多くの医療者の方に、それぞれの地域で活用できるよう超音波検査や細胞診などを学んでいただきました。
また、隈病院甲状腺研究会を毎年開催しているほか、神戸甲状腺診断セミナー、細胞診・病理診断研修コースなど、甲状腺診療に関する当院発の知見に触れていただく多様な機会もございます。ご関心のある方は、お気軽にお問合せください。