2019.11.13(水)学術活動
院長 宮内昭が韓国釜山で講演
2019年11月9日、当院院長宮内 昭が韓国釜山のKosin Universityで開催されたInternational Thyroid Seminarに招待され「低リスク甲状腺微小乳頭癌の積極的経過観察、26年の経験から学んだこと」と題して特別講演を行いました。当院では世界に先駆けて1993年から危険な因子の認められない低リスクの甲状腺微小乳頭癌(最大径が1cm以下の乳頭癌)に対して、手術をしないで経過を見る、もし、進行したら手術を行うという取り組みをしてきました。その結果、腫瘍が3mm以上増大するのは10年で8%、リンパ節転移が出現するのは10年で3.8%であり、このような場合は手術をすればその後の再発はないこと、経過中に遠隔転移が出現したり甲状腺癌で亡くなったりした患者はいないこと、一般的な乳頭癌とは異なり、不思議にも40歳以下の若年者の方が高齢者より腫瘍が進行する率が少し高いことが分かりました。そして、例え隈病院で経験ある外科医が手術を行っても直ちに手術をした場合の方が経過観察よりも声帯麻痺などの不都合事象の頻度が高いことも判明しました。さらに、詳細な検討により、経過中にやや早く進行するのは3%、ゆっくり進行するのは22%、ほとんど変化がないのは57%、そして17%の患者で腫瘍が縮小することが判明しました。このような内容の講演を行い、大きい反響があり、多くの質問を受けました。
講演する宮内院長