2024.12.25(水)診察・休診
甲状腺眼症新薬“テッペーザ”による治療開始について
隈病院は、活動性甲状腺眼症に対する新治療薬「テッペーザ点滴静注用500mg(以下、テッペーザ® )を使用した治療を開始しました。
この薬は、米国では2020年1月に承認されていましたが、2024年9月に日本での製造販売も認められ、同年11月よりアムジェン株式会社から販売が開始されました。
【甲状腺眼症とは】
甲状腺が原因で起こる「目が出る(眼球突出)」「まぶたが腫れる」といった眼症状を「甲状腺眼症」といいます。特にバセドウ病にかかった、およそ30%の方にこのような症状が見られ、免疫の異常により目の周りに炎症が起こることで発症します。
症状が悪化する活動期が数か月間続いた後、あまり変化がなくなる非活動期に進むことが特徴で、非活動期に入ると治療の選択肢がかなり限定されることから、早期に発見し活動期のうちに治療を開始することが重要と考えられています。
【テッペーザ® とは】
一般名は「テプロツムマブ(遺伝子組み換え)」という活動性甲状腺眼症の新薬で、成長因子の一つであり、甲状腺眼症の発症に関係しているとされるIGF-1の働きを抑えるお薬です。眼球突出を含む、目の様々な症状の改善が期待できます。通常、3週間間隔で計8回、点滴治療を行います。
【当院での治療について】
テッペーザ® での治療をご希望の方は、まず当院の担当医にご相談ください。本薬の効能・効果と、甲状腺機能の異常などお一人お一人の症状、通院のご状況などに照らし、治療方針を決めることが大切です。治療は内科で行いますが、眼科と連携して進めて参ります。
隈病院の眼科診療スケジュールは、下記リンクをご確認ください。