2025.01.22(水)学術活動
甲状腺眼症の新薬に関する論文がThe Lancet(地方版)に掲載されました
当院が参加した甲状腺眼症(バセドウ病眼症)の新薬に関する研究論文が、The Lancetの地方版「The Lancet Regional Health - Western Pacific - (2025;55: 101464)」に、当院の赤水尚史院長を最終著者として掲載されました。
タイトル:
A randomised, double-masked, placebo-controlled trial evaluating the efficacy and safety of teprotumumab for active thyroid eye disease in Japanese patients
(訳:日本人患者を対象とした活動性甲状腺眼症に対するテプロツムマブの有効性と安全性を評価する無作為化二重遮蔽プラセボ対照試験)
テプロツムマブは、これまで北米およびヨーロッパの研究において、活動性の中等度から重度の甲状腺眼症(TED)患者の眼球突出および複視の改善に有効と示されてきました。本論文は、初めて日本人患者を対象とし、活動性の中等度から重度のTEDに対するテプロツムマブの有効性と安全性を評価したものです。
本研究では、テプロツムマブが日本人患者においても眼球突出を大いに改善する結果が得られ、また薬に関連する重篤な副作用も見られなかったと述べられています。
この治験の結果を受けて、昨年(2024年)甲状腺眼症の新薬として製造販売承認を受けています。(販売名:テッペーザ)
隈病院では2024年12月から、甲状腺眼症の治療において「テッペーザ(テプロツムマブ)」の使用を開始しました。
甲状腺眼症新薬“テッペーザ”による治療開始について
テッペーザ® での治療をご希望の方は、まず当院の担当医にご相談ください。
本薬の効能・効果と、甲状腺機能の異常などお一人お一人の症状、通院のご状況などに照らし、治療方針を決めることが大切です。当院では、内科と眼科の医師が連携しながら治療を進めて参ります。