2021.08.25

橋本病は治る? (はしもとびょうはなおる?)

  • 橋本病
  • 甲状腺の病気の治療
  • 甲状腺ホルモン

橋本病は完治する?

橋本病は完治することがなく、一生涯付き合っていく病気です。
ただ、橋本病であっても投薬の必要がない方も多くいますし、あるいは投薬によって症状のない状態を維持することができます。
事実、橋本病患者のうち7〜8割は経過観察のみで、病気のない方とほとんど変わらない生活を送っています。

橋本病との付き合い方

橋本病は自己免疫の異常により甲状腺組織が破壊されてしまう病気で、甲状腺機能低下の原因となり、甲状腺ホルモンが不足すると顔や手足のむくみ、寒がり、体重増加などの症状があらわれます。
橋本病では、免疫機能の異常で抗甲状腺自己抗体が過剰に産出されます。抗甲状腺自己抗体は、血液検査をするたびに数値が変動し、経過中に正常範囲となることもあります。

しかしながら、抗甲状腺自己抗体が正常範囲内になったからといって橋本病が治ったというわけではありません。
また、橋本病と診断された方で甲状腺機能低下症をきたす方は20から30%程度のため、甲状腺ホルモンが正常だからといって「橋本病ではない」または「橋本病が治った」、というわけでもありません。
今後甲状腺機能が低下する可能性がありますので、定期的に血液検査を受けて経過をみていく必要があります。
甲状腺機能が低下した場合には、甲状腺ホルモンの補充を行うと甲状腺機能が正常な方と変わらない状態となりますが、投薬によって橋本病や甲状腺機能低下症が治るわけではありませんので、内服を継続する必要があることにも注意してください。
 

 

橋本病に伴う病気

橋本病を原因として、甲状腺に関連する他の疾患にかかってしまうこともあります。
代表的なのは無痛性甲状腺炎と呼ばれる、一時的に甲状腺ホルモンが増加する病気で、動悸や多汗、疲労感などバセドウ病と類似した症状が見られます。基本的には自然に治り、1ヶ月程度で症状がなくなります。

また稀に、痛みや発熱を伴う急性増悪(ぞうあく)や、急に甲状腺が腫瘍のように腫れるリンパ腫と呼ばれる病気も、橋本病を原因として発症する場合があります。
特に一部のリンパ腫は急速に病状が進行することがあるため、疑われる症状が見られる場合は早めの受診をおすすめします。
 

 

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