バセドウ病の治療期間 (ばせどうびょうのちりょうきかん)
通常の、メチマゾール(メルカゾール®︎)やプロピルチオウラシル(チウラジール®︎、プロパジール®︎)を使った治療が行われる場合には、治療の最初2か月の間は、薬の副作用(特に好中球が減る、肝障害)のチェックのために約2週間ごとに採血が必要です。一方、薬の効果が表れてくるのはそれほど早くなく、ホルモンが正常化して症状が改善するまで1-3ヶ月程度を要します。その後は、症状がない状態で、病状が安定していると判断できれば、受診間隔を徐々に開けて再診しながら治療効果を確認していきます。
個人差が非常に大きいですが、軽症であった場合など治療が順調な場合には2年程度から薬をいったんやめてみる選択肢が出てきます。薬の投与がなくても甲状腺機能が正常化し、症状がなくなることを「寛解(かんかい)」とよんでいます。再発が多い(概ね半分が再発)疾患なので、定期的な経過観察と再発を予防する対処が必要になります。また、バセドウ病の再発と紛らわしい一時的なホルモン上昇(無痛性甲状腺炎)も休薬後同時期にしばしば見られます。そのため、寛解期間中も定期検診は欠かせません。
治療経過が順調でない場合もあり、なかなか見通しが立たず経過することもあります。ホルモンは正常化していても、現状維持期間が長くなったり、投薬量が減らなかったり、甲状腺が大きくなっていくなど病状が悪化していたりする場合には手術やアイソトープ治療などのほかの治療をお勧めすることもあります。
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