甲状腺とめまいについて (こうじょうせんとめまいについて)
甲状腺とめまいの関係
めまいと一言にいっても、回転性めまい(ぐるぐる回る感じがする)や浮動性めまい(目の前が真っ暗になる立ちくらみ)などがあります。めまいは一般に甲状腺ホルモンの異常によって起こる代表的な症状ではありませんが、甲状腺ホルモンが過剰であることによって極端に脈拍数が増えている状況などでは心拍出量に対して静脈還流量が不足し、心臓がいわゆる空打ちのような状況になることがあり得ます。この場合、浮動性めまいを来す可能性はあります。また、甲状腺機能低下症では強い倦怠感とともに浮動性めまいなどを感じる可能性があります。原因不明のめまいがある場合には、一度甲状腺機能の検査を受けてみることをお勧めします。
気づきにくい甲状腺疾患の初期症状
甲状腺の病気による初期症状には個人差があるだけでなく、症状がはっきりしないこともあるため、単なる疲れや不調だと思い込んだり、他の病気だと診断され、なかなか甲状腺の病気だとは気が付かなかったりする場合もあります。実際に、国内では約45万人が甲状腺の治療を受けていますが、推計では甲状腺の病気で治療が必要な人は240万人ほどいると考えられており、甲状腺の病気があるにも関わらず治療や診断を受けていない人が多くいる可能性が指摘されています。甲状腺の病気は、早期に正しく診断・治療を受ければ命に関わることはほとんどありません。しかし甲状腺疾患の症状の中には、元気に生活することができないような様々な支障を起こすものがあります。診断のつかない、はっきりしない症状がある場合には、できるだけ早い段階で甲状腺の専門医を受診することが望まれます。