甲状腺嚢胞 (こうじょうせんのうほう)
病気の特徴
甲状腺の中に液体の溜まった袋状のものができます。通常は球状の形をしています。小さいものは触っても分かりませんが、大きくなると硬いしこりとして指で触ることができます。普通は痛みのないしこりです。まれに急に大きくなった時に痛みを感じることがありますが、2〜3日で痛みは消えます。
良性のことが多く、腺腫様甲状腺腫の一部に液体が溜まっている状態と考えて良いでしょう。しかし中には極めて稀ですががんに伴う嚢胞もあります。
診断
超音波検査で診断できます。液体を注射器で吸い出した後、残ったしこりの部分から細胞診を行います。治療
治療することは不要な場合が多く、ほとんどが経過観察となります。大きい場合には、1回から数回、注射器で液体を吸い出すと、小さくなることがあります。何回吸い出してもすぐに大きくなる場合はエタノール注入療法をお勧めしています。嚢胞が大きくエタノール注入療法も効かない場合は、手術療法を行います。がんに伴う嚢胞は手術療法が必要です。