2021.03.25

CT撮影 (しーてぃーさつえい)

  • 検査
  • 甲状腺がん

CT撮影の主な目的

主に頸部と胸部を中心にした撮影に焦点を当てています。甲状腺疾患の術前検査や術後の経過観察などが主な目的とされています。具体的には、甲状腺がんなどの腫瘍とその周囲臓器(気管、食道、反回神経)の位置関係を評価し、がんの拡散の有無やリンパ節転移、遠隔転移の有無などを画像を通じて判定します。

また、血管の起始異常の確認や、縦隔レベルまで腫大する大きな甲状腺腫の推定体積を求める事も可能です。CT検査は、一度の撮影で多くの情報を得ることができるため、疾患の進行状況を包括的に把握するために非常に有用です。

当院の頸部CT撮影は、手術時の姿勢に近づけるため、肩の下に枕を置き、頸部を伸展させた状態で画像撮影を行う独自の手法を採用しています。これにより、術前に正確な位置情報を評価することが可能です。

360° X線撮影による断層画像生成と寝台の自動スライド

リング状の検出器の中を通過するようにX線を360°方向から照射し、組織がX線をどれだけ吸収するかの差をデータ化して、身体の断層画像を作成します。必要に応じて、さまざまな方向の断面像や立体(3D)画像を作成することも可能です。

CT装置の寝台は自動でスライドしますので、患者様は仰向けに寝たままで撮影が行われ、わずか15秒ほど息を止めるだけで撮影が終了します。

安全性について

検査には被ばくが伴いますが、一般的に、被ばく線量が100mSv未満の場合は、その被曝による影響(発癌や脱毛などの障害)はほとんどないと考えられています。

当院のCT撮影における被ばく線量

当院では安全性を最優先に考えて撮影を行っています。CT撮影における被ばく線量は体格や撮影方法によって異なりますが、当院での平均的な被ばく線量は、頸部では約1.6mSv、胸部では6.1mSvとなっています。これらは安全性を考慮しつつ、必要な情報を得るための線量となっています。

安全に検査を受けていただくために

● CT撮影は痛みを伴いませんが、被ばくを伴う検査です。妊娠中の方は検査を避ける必要がありますので必ずご相談ください。
● 検査の目的によっては、造影剤を使用することがあります。以前に造影剤を使用した検査で呼吸困難や発疹などのアレルギー反応が出た経験がある場合は、事前にお知らせください。
● ペースメーカーやその他の精密機器を使用している方は、機器の種類などによっては検査を避ける必要が生じることがありますので、必ずその旨を申し出てください。
● その他、検査に関する詳細やご不明な点などもお気軽にお問い合わせください。