2021.03.20

頸部レントゲン撮影 (けいぶれんとげんさつえけい)

  • 検査
  • 甲状腺がん

頸部レントゲン撮影の主な目的

X線を使って主に正面と側面の2枚を撮影し、石灰化を伴うしこりの診断や期間の変位、狭窄の有無などを観察します。

頸部の正面撮影は、発声の瞬間を切り取って撮影します。気管の陰影により声帯の開閉運動を観察し、声帯運動を司る反回神経の状態をも画像診断を通じて推定することができます。一方、側面撮影では、上を向いてノドを伸ばし、息を止めた状態で撮影を行います。低電圧での撮影方法を用い、微細な石灰化病変を観察することで、しこりの良性と悪性の鑑別が行われます。

このような気管の走行や軟部組織の石灰化の観察のための撮影は、甲状腺の専門病院である当院特有の検査方法です。

安全に検査を受けていただくために

頸部レントゲン検査は痛みを伴いませんが、被ばくを伴う検査です。妊娠中の方は検査を避ける必要がありますので必ずご相談ください。その他、検査に関する詳細やご不明な点などもお気軽にお問い合わせください。

FPD(Flat Panel Detector)

現在、多くの医療施設が採用している技術ですが、当院では比較的早期から導入をしています。FPDは従来のX線フィルムとは異なり、1枚のパネルで連続的な撮影が可能です。X線が透過した際の強度変化を瞬時にデジタル信号に変換し、瞬く間にモニタに高品質な画像を描出します。

これにより、撮影に要する時間が著しく短縮され、電子カルテへのデータ転送も迅速です。さらに、従来の装置と比較してFPDは放射線に対する感度が非常に高いため、低い放射線量での撮影が可能となり、患者様の被曝線量が低減されています。